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Philip の ちょっといい話

信頼と独立

 7月4日はアメリカの独立記念日です。アメリカが実際に独立を遂げたのは、もうすこし後なのですが、1776年のこの日に、イギリスの十三の植民地が「1776年7月4日連合会議における十三のアメリカ連合諸邦による全会一致の宣言」を採択したことから、この日が独立記念日となりました。この宣言の正式名はあまりに長いので、今ではたんに「独立宣言」と呼んでいます。これはトマス・ジェファソンが書いた原案に、ジョン・アダムスとベンジャミン・フランクリンが修正を加えたもので、後のフランス人権宣言をはじめとして、後世に、また世界の各国に大きな影響を与えました。

 「独立宣言」は次のことばではじまります。「われわれは以下の真理を自明であると信じる。すなわち、すべての人は平等に創造され、ひとりびとりは創造主なる神によって、常に変らぬ、他に譲り渡すことのできない権利を与えられている。これらの権利の中には、生命、自由、幸福を追求する権利が含まれている。」独立宣言は、権利宣言で始まっています。それは独立宣言から11年後につくられた憲法や1989年の「権利章典」と呼ばれる憲法修正に具体化されいくのですが、個人の権利は神によって与えられたものであると言って、人権の根拠を神においています。

 そして「独立宣言」は「この宣言を支持するために、われわれは神の摂理の守りにかたく信頼しつつ、われわれの生命、財産、神聖なる名誉をささげることを、相互に誓うものである。」とのことばで結ばれています。アメリカの独立は、神の守りなしには達成さないと言っているのです。独立宣言を作成したアメリカ建国の父たちは、ほんとうの独立とは、何者にも頼らず「独り立つ」というものではなく、神への信頼によってもたらされると信じていました。

 「独立宣言」以来、228年が経ち、アメリカは世界最強の軍隊を持つ国になり、神に頼ることを忘れつつあります。アメリカは、もう一度、建国の精神を取り戻す必要があるように思います。聖書は「王は軍勢の多いことによっては救われない。勇者は力の強いことによっては救い出されない。…見よ。主の目は主を恐れる者に注がれる。」(詩篇33:16,19)と教えています。国家ばかりでなく、個人も、他の人にふりまわされたり、さまざまな状況に支配されたりして、自分自身の歩みができないでしまうことがあります。しかい、人生と生活に神を迎え入れ、神に信頼するなら、ほんとうの意味で独立した歩みをすることができます。ほんとうの独立は、神への信頼によって得られます。神への信頼によって独立を勝ち取る国、それを保つ人は幸いです。

(2004年7月)

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