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Philip の ちょっといい話

イエスから「あなた」への質問

 先月、私は、このページに「イエスに質問したいこと」という題で短い文章を書きました。私たちがイエス尋ねたいこと、質問したいこと、答えてもらいたいことは山ほどあり、私たちが真剣に求めるなら、イエスは答えをくださることを覚えていましょう。しかし、それと共に、忘れてはいけないのは、イエスもまた私たちに質問しておられるということです。

 ある時、イエスは弟子たちにこう尋ねました。「人々は人の子をだれだと言っていますか。」(マタイの福音書16:13)「人の子」というのは、イエスがご自分をさして言われる時の表現で、これは言い替えれば「人々はわたしのことを誰だと言っていますか。」という質問です。これに対して弟子たちは「バプテスマのヨハネだと言う人もあり、エリヤだと言う人もあります。またほかの人たちはエレミヤだとか、また預言者のひとりだとも言っています。」と答えました。すると、イエスは続いてこう質問されました。「あなたがたは、わたしをだれだと言いますか。」(マタイの福音書16:13)

 最初の質問は、客観的な問いです。これには、人々がイエスについて何と言っているかを調べて答えを出せばいいわけです。自分がイエスをどう思っているかの意見は必要ないのです。現代では、ある人はイエスを「キリスト教の開祖」と呼び、「世界の偉人のひとり」と言い、別の人は「悲劇の殉教者」と思っているでしょう。どの地域のどんな人がイエスをどう評価しているかのリサーチをし、分析すれば、Ph. D. だって取れるかもしれません。しかし、イエスが私たちに求めておられるのは、リサーチによって得られる答えではなく、あなたがイエスを誰だと言うかと言うかという、あなた自身の答えなのです。

 私たちは、自分の愛する人に「あなたは私の夫です。」「あなたは私の妻です。」と言い、「あなたは私のこどもです。」と言います。「お父さん」「お母さん」という呼びかけは、その人への愛と信頼を表しています。そのように、イエスに信頼する者も、イエスを「主」と呼び、「救い主」と呼ぶのです。「あなたは、私の主です。」という告白からイエスを信じる信仰が始まるのです。イエスはあなたに問いかけておられます。「あなたは、わたしをだれだと言いますか。」この問いに、「あなたは、生ける神の御子キリストです。」(マタイの福音書16:16)と答える人は幸いです。

(2002年7月)

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