Linux Memo

【gLabels-qt と補助アプリ】7-5-2021

gLabels の新しいバージョン、gLabels-qt を PPA からインストールしました。今までよりも格段に使い易くなりました。とくに、CSV データをマージしたときに、データが表形式で表示されるので、プリントしたいデータを選ぶのが簡単になりました。
しかし、gLabels にはデータの管理機能がついていないので、gLabels のデータのデータに追加、削除、変更、ソート、保存を行うウェブ・アプリを作ってみました。このアプリには、複数のデータファイルからデータを取り出し、それを一つのデータにまとめる機能もつけました。そのデータファイルを gLabels に読み込ませ、印刷するようにしてみました。この補助プロブラムで gLabels の使い勝手がさらによくなりました。

【Python F-String】7-12-2021

Python で変数を代入表示させるとき、以前は、次のように「%」記号を使っていました。
```
first_name = "John"
last_name = "Smith"
print("Hello, %s %s." %(first_name,last_name))
```
ところが、これが推奨されなくなったので、「.format」に換えました。
```
print("Hello, {} {}." .format(first_name,last_name))
```
この方法だと変数を配列番号で繰り返し表示できるので便利です。
```
print("Hello, {0}, {0} {1}." .format(first_name,last_name))
```
しかし、代入する変数が多くなると「{}」と「.format()」内の変数の数が合わないでエラーになることもあります。そこで、新しい表記方法 F-String を使うことにしました。
```
print(f"Hello, {first_name} {last_name}")
```
引用符の前に「f」をつけるだけで、変数をそのまま「{}」内に記述できますので、プログラムが見やすくなり、エラーを防ぐことができます。
ただし、スタイルシートの記述など、文字列内ですでに「{」と「}」を使っている時に、F-String を使う場合は、文字列内の「{」と「}」をエスケープしておかなければなりませんでした。

【Perl から Python へ】7-19-2021

Perl で書いた Web アプリを Python に書き換える作業をしています。書き換えの際に、いくつかの共通パターンを見つけたので、忘れないうちに、ここに書いておきます。
まずは CGI を使うための準備
Perl
```
use CGI;
use CGI::Carp qw(fatalsToBrowser);
my $q = new CGI;
$mode	= $q->param('answer');
@marked = $q->param('marked');
```
Python
```
import cgi
import cgitb
cgitb.enable()
form = cgi.FieldStorage()
answer = form.getvalue('answer')
mode   = form.getvalue('mode')
marked = form.getlist('marked')
```
両方共、エラーが出たときに、それがブラウザに表示されるようにしました。Python で数値や文字列をやりとりするには from.getvalue() を、リストをやりとりするには form.getlist() を使います。

次は、複数行を一度に表示する場合。

Perl

print << "EOM";
 <!DOCTYPE html>
 <html lang="en">
 <head>
 <meta charset="UTF-8">
 <title>My WebApp </title>
 </head>
 <body>
EOM

Python

print('''<!DOCTYPE html>
<html lang="en">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<title>My WebApp</title>
</head>
<body>''')

テキストファイルを読み込み、一行づつデータに格納するには
Perl
```
$i = 0
@lines = `cat $file`;
foreach $line (@lines) {
	chomp $line;
	data[$i] = line;
	$i++;
	}
```
Python
```
with open(file) as INP:
	lines = INP.readlines()
sum = len(lines)
data = list(range(sum))
for line in lines:
	line = line.strip()
	data[i] = line
	i += 1
```
Python ではあらかじめリストを用意する必要があるので、データの個数を取得してから list() 関数で空のリストを作りました。

【Perl から Python へ・その2】7-26-2021

セパレーターを指定してエントリー単位でファイルを読み込む。次はテキストファイルが空白行で区切られている場合。

Perl

open INP, "$inpfile";
$/ = '\n\n';
$n = 1
foreach $entry () {
	chomp $entry;
	print 'Chapter $n\n';
	@items = split /\n/, $entry;
	$i = 1;
	foreach $item (@items) {
		print 'Section $i. $item\n';
		$i++;
		}
	$n++;
	}

Python

with open(inpfile) as INP:
	data = INP.read().split('\n\n')
n = 1
for entry in data:
	entry = entry.strip()
	print(f'Chapter {n}')
	items = entry.split('\n')
	i = 0
	for item in items:
		print(f'Section {i}. {item}')
		i += 1
	 n += 1

Perl では正規表現を簡単に扱うことができるが、Python では少し面倒。
Perl
```
if ($line =~ /([\d]+)/) {
	$number = $1;
	}
```
Python
```
number = re.search(r'([\d]+)',line).group(1)
```

ファイへの書き込み。

Perl

open OUT, '>$outfile';
foreach $line (@lines) {
	print OUT '$line\n';
	}
close OUT

Python

with open(outfile,'w') as OUT:
	for line in lines:
		OUT.write(f'{line}\n')

with ... as 構文を使えば、自動的にファイルを閉じてくれる。

ファイルのコピーは次のようにする。

Perl

use File::Copy
copy($from_file,$to_file);

Python

import shutil
shutil.copyfile(from_file,to_file)

ファイルの存在確認。

Perl

if (-e $from_file) {
	copy($from_file,$to_file);
	}

Python

if (os.path.isfile($from_file)):
	shutil.copyfile(from_file,to_file)

【Python で標準出力をファイルに書き込む】8-2-2021

Python でコマンドを実行するには subprocess をインポートして
```
subprocess.run(['unoconv','input.odt'])
```
とすればいいのですが、"html2text input.html > output.txt" というコマンドをそのまま subprocess.run のコマンドリストに入れてもエラーとなります。"html2text input.html" の結果が標準出力に指定されているからです。これをファイルに変更するため、次のようにしました。
```
with open('output.txt', 'w') as out:
	proc = subprocess.Popen(['input.html', 'output.txt'], env=os.environ,  stdout=out, stderr=subprocess.PIPE)
	stdout, stderr = proc.communicate()
	retcode = proc.returncode
	del proc
```
subprocess.run でなく、subprocess.Popen を使い、stdout=out と、標準出力を、書き込み用に開いたファイルポイントに指定しました。subprocess.Popen や subprocess.PIPE には、さまざまなオプション指定が必要なようですが、どれが必要で、どれがいらないかは、私はよく理解していません。ともかく、プログラムが期待した結果を出してくれたので、「よし」としています。

【DiskStation の Web サーバーと Python CGI】8-9-2021

私は DiskStation を自宅サーバーに使っています。CGI には Perl の他 Python も使えます。それで、Python で書いた CGI を試してみたのですが、動作が遅くて、実用にはなりませんでした。同じプログラムを Perl で書き換えて見たら快適に動きました。もっとパワーのある CPU なら Python でも大丈夫なのかもしれませんが、DiskStation での CGI は Perl にしたほうが無難のようです。
しかし、DiskStation の Plus シリーズなら、Python もちゃんと動くかもしれません。 DS220+ の購入を考えたのですが、Synology は2018年、2020年と2年おきに新製品を出しているので、2022年の新製品 DS222+ を待っています。新製品が出れば旧モデルが安くなる可能性もありますので、それを待っています。DS620Slim は Plus シリーズとは呼ばれていませんが、SD220+ と同じく Intel Celeron を使っていますので、ほぼ同等の性能を期待できると思います。ただ、2.5インチベイしか持っていないので、SSD でシステムを組むならいいですが、3.5 HDD を活かせないのが残念です。

【Go 言語を試してみる】8-16-2021

今、流行の Go 言語をかじってみました。apt で golang を選んだら golang-1.13 が導入されました。まずは、お決まりの “Hello World”ですが、次のようなコードになります。
```
package main

import "fmt"

func main(){
	//出力結果
	fmt.Println("Hello World!!")
}
```
これを“hello.go”として保存し、ターミナルで
```
$ go run hello.go
```
とすると、“Hello World!!”と表示されました。
```
$ go build hello.go
```
とすると、実行ファイル“hello”が出来ましたので、
```
$ ./hello
```
で実行しました。
他の言語と違って print 文を使うには“fmt”モジュールが必要です。Perl の“sub”、Python の“def”に相当するのが“func”で、“main()”であっても、“func main()”と冒頭に “func”が必要でした。

【Go でカレンダー】8-23-2021

シェルスクリプトにすでに“cal”があるので、「車輪の再発明」になってしまいますが、golang でカレンダープログラムを作ってみました。
ある月のカレンダーを、日曜日から土曜日までを一行にならべて表示するためには、その月の1日が何曜日になるかを調べなければなりません。また、月の日数が28日、29日、30日、31日と変化しますので、その月の日数も必要です。いろいろな計算方法がありますが、私は time function を import して、次のようにして曜日と日数を得ました。
```
	// その月の1日の曜日
	dt := time.Date(year, time.Month(month), 1, 0, 0, 0, 0, time.UTC)
	first_day := int(dt.Weekday())
	// その月の日数
	dt2 := time.Date(year, time.Month(month + 1), 0, 0, 0, 0, 0, time.UTC)
	last_date := dt2.Day()	
```
変数 year と month は main で年と月を指定してあります。曜日は、日曜日が 0、月曜日が 1 のように整数で受け取ります。

一ヶ月のカレンダーは、次のように表示しました。

	// 1日が日曜日以外の場合、日付を空欄にする
	for i := 0; i < first_day; i++ {
		fmt.Print("   ")
	}
	// 
	for date := 1; date <= last_date; date++ {		
		// 日付の前に空白
		if (date < 10) {
			p_date = "  " + strconv.Itoa(date)
			} else {
			p_date = " " + strconv.Itoa(date)
		}
		day = (first_day + date - 1) % 7
		if day == 6 {		
			fmt.Println(p_date)
			} else {
			fmt.Print(p_date)
		}
	}
	// 月の最後で改行
	if day < 6 {
		fmt.Println("\n")
		} else {
		fmt.Println("")
	}

time.Date() 関数で月を指定するとき、直接 month を代入するのでなく、time.Month(month) を代入することがコツでした。fmt.Print() と fmt.Println() の違いも使い分ける必要がありました。また整数を文字列に変換するのに strconv.Itoa() を使いました。

【calendar.go の完成】8-30-2021

Golang で一ヶ月ごとのカレンダーの表示ができましたので、一年分を一挙に表示するするようにしました。全体は次のようになります。

package main
 
import (
	"fmt"
	"os"
	"strconv"
	"time"
	)
 
func main() {
	// 引数の数を確認する
	if len(os.Args) < 2 {
		fmt.Println("Specify the year!")
		os.Exit(1)
	}
	// 最初の引数を代入する
	year, _ := strconv.Atoi(os.Args[1])
 
	for month := 1; month <= 12; month++ {
		show_sundays(year, month)
	}
}
 
func show_sundays(year, month int) {
	var p_date string
	var day int
 
	month_names := [12] string {"  January", " February", "    March", "    April", "      May", "     June", "     July", "   August", "September", "  October", " November", " December"}
	month_name := month_names[month - 1]
 
	// その月の1日の曜日
	dt := time.Date(year, time.Month(month), 1, 0, 0, 0, 0, time.UTC)
	first_day := int(dt.Weekday())
	// その月の日数
	dt2 := time.Date(year, time.Month(month + 1), 0, 0, 0, 0, 0, time.UTC)
	last_date := dt2.Day()	
 
	fmt.Printf("   %v, %v\n", month_name, year)

	for i := 0; i < first_day; i++ {
		fmt.Print("   ")
		}
 
	for date := 1; date <= last_date; date++ {		
		// 日付の前に空白
		if (date < 10) {
			p_date = "  " + strconv.Itoa(date)
			} else {
			p_date = " " + strconv.Itoa(date)
		}
		day = (first_day + date - 1) % 7
		if day == 6 {		
			fmt.Println(p_date)
			} else {
			fmt.Print(p_date)
		}
	}
	// 月の最後で改行
	if day < 6 {
		fmt.Println("\n")
		} else {
		fmt.Println("")
	}
}

コマンドの後に「年」を引数で指定するようにしましたので、引数の数の確認に len(os.Args) を使いました。コマンド自体が引数のひとつに数えられますので、引数の総数が 2 以下なら、「年」が指定されていないので、プログラムを終了させました。引数は、コマンドが os.Args[0] に、最初の引数が os.Args[1] に入っていますので、そこにある文字列を整数に変換して「年」を得、その年の1月から12月までのカレンダーを連続して表示するようにしました。

【Lenovo 15.6" IdeaPad 3 82H800K1US】9-6-2021

家内は PC ではブラウザ、Eメール、ZOOM くらいしか使わないのですが、今までのラップトップ PC ではスムースにブラウジングができなくなったというので、新しくラップトップ PC を買うことになりました。今までの DELL の PC は 2014年に $247.00 で購入したもので、CPU は Celeron N2830 で、今ではまことに非力なものになってしまいました。今回は CPU が Core i3、しかもできるだけ新しい世代のものにすることにしました。ディスプレーは今までと同じ 15インチで、ただし、DELL のディスプレーは鮮明ではなかったので、IPS タイプのディスプレーを使っているものを捜しました。そして、見つけたのが Lenovo 15.6" IdeaPad 3 で、モデル番号は 82H800K1US でした。
この PC の CPU Core i3 は最新の第11世代のものです。8GB のメモリーと、256GB の NVMe SSD が搭載されていました。以前の WIFI カードは WIFI 4 対応でしたが、WIFI カードも改善されていてネット接続も安定しています。ブラウジングもスムースでした。なにより、ディスプレーが綺麗なのは良かったでした。この PC のキーボードはライトアップしますが、家内はそれはあまり好きではないようです。ディスプレー上部にあるカメラにはシャッターがついていて、物理的にレンズを塞いでくれるのは安心感があります。
7月末に、いつもの B&H で $549.99 で買ったのですが、8月末にチェックしたら $499.00 に値下がりしていました。もう少し待てば良かったと思いました。

【Fanless Mini PC Pentium Silver】9-13-2021

今回、7年使った家内のコンピュータを新しくしたのですが、娘の使っているコンピュータはそれよりもっと古く、Atom CPU を搭載した Shuttle 社の Mini PC でした。Linux で動かしていたので、なんとか実用になっているという状態でした。それで、もうすこし新しい Mini PC を捜しました。Mini PC にファンがついているのは、好きではないので、ファンレスのものを捜し Minisforrum 社の GK50 を選びました。アマゾンで $329.90 ＋ TAX でしたが、クーポンとクレディットカードのポイントを使ってもう少し安く買いました。
CPU は Pentium Silver シリーズの N5030 で、メモリーは 8 GB、SSD は M.2 SATA タイプで 128 GB のものがついてきました。M.2 には Windows PRO がすでに入っていたので、バックアップをとっておいてから、インストール用のUSB ドライブを使って Xubuntu 21.04 をクリーン・インストールしました。
Xubuntu のインストール時に、「最少インストール」を選びました。この機能は Xubuntu 21.04 から加えられたものです。ブラウザとごく基本的なものだけがインストールされ、ChromeOS のような構成になります。娘もブラウザと ZOOM しか使わないので、ブラウザを使うだけなら、ChromeOS でも良かったのですが、ChromeOS を使うと Google 社に縛られてしまうので、自由な Linux にしました。マイクロソフト、グーグル、アップル、アマゾンなどの製品を使うためには、その会社への忠誠を誓わなければならないのは、どうも気にいりません。なるほど大会社の構築したシステムは便利かもしれませんが、どのシステムも、要らない情報まで押し付けてくるので、うっとおしいことがあります。PC も OS も、そして種々の情報も自分で選び、自分でコントロールしたいなら、Linux が一番だと思います。

【Xubuntu 最少インストール】9-20-2021

Minisforum DK50 への Xubuntu のインストールのあと、日本語入力に fcitx-mozc、エディタに mousepad、ソフトウェア導入のため synaptic と gdebi を apt install コマンドで追加しました。「最少インストール」では 2G ほど SSD を使いましたが、これは「通常インストール」と大差ないディスク使用量でした。
インストール後、アナログ・オーディオが使えないという問題が起こりました。ドライバーの不足だと思われます。USB サウンドアダプターを使えば音声を取り出せますが、娘のためには以前買った Zotac の Mini PC を使うことにしました。これについては 2020年10月5日に記事を書きました。Minisforum の Mini PC はうすっぺらいプラスチックのケースしか使われておらず、裏蓋をあけるのがかなり面倒ですが、Zotac の Mini PC は金属製のしっかりしたケースが使われており、裏蓋も簡単にあけられます。Minisforum Mini PC で作った Xubuntu 最少インストールの M.2 SSD を外して Zotac Mini PC に差し込んだら、そのまま使えました。オーディオ出力も問題ありませんでした。

【Zoom と ibus】9-27-2021

Xubuntu 21.04 に Zoom をインストールすると ibus も導入されます。Xubuntu 20.04 では ibus が導入されても fcitx に影響はなかったのですが、このたびは、fcitx が使えなくなってしまいました。Zoom が ibus を導入させているのは絵文字のためだけなので、パッケージから ibus に依存する部分を取り除いて、パッケージを作り直す方法が https://hashman.ca/zoom/ にありました。
```
$ scratch=$(mktemp -d)
$ dpkg -x zoom_amd64.deb $scratch
$ dpkg -e zoom_amd64.deb $scratch/DEBIAN
$ sed -i -E 's/(ibus, |, ibus)//' $scratch/DEBIAN/control
$ dpkg -b $scratch patched_zoom_amd64.deb
```
私は上記のコマンドを実行してできたパッケージを
```
$ sudo gdebi patched_zoom_amd64.deb
```
としてインストールしました。gdebi は依存しているファイルを追加してくれるので便利です。
これで fcitx が停止することなく Zoom を導入できました。なお、上記のサイトには deb パッケージのバージョンを調べる方法も載っていました。次のコマンドを実行するだけです。
```
$ dpkg-deb -I zoom_amd64.deb | grep Version
```

【Clonezilla】10-4-2021

DK-50 には M.2 SATA SSD に Windows 10 Pro が入っています。Windows 10 Pro はインストール時に各種言語を選べるので、アメリカにいても「日本語ウィンドウズ」を使うことができます。それで M.2 SSD に Xubuntu を入れる前に、M.2 SSD をまるごとバックアップすることにしました。ちようど M.2 SSD と同じ容量の 2.5in SSD があったので、それを DK-50 の SATA 端子につなぎ、Clonezilla を使って M.2 SSD のクローンを作りました。
Clonezilla は iso 安定版をダウンロードし、Unetbootin を使ってライブ USB を作りました。そして、Device to Device 方式を選んで、M.2 SSD から 2.5in SSD へのコピーを行いました。Clonezilla はテキスト・ベースのソフトウェアでしたが、表示されるメッセージをよく読んで行えば、簡単に、間違いなく、またすばやくディスクのクローンを作ることができました。

【Minisforum Mini PC と Windows PRO】10-11-2021

2021年5月17日に記事を書いた通り、Zotac Mini PC の M.2 SSD には Windows が入っています。これを Minisforum にとりつけました。すると、Windows が PC の機種変更を察知して、ログイン・キーの変更を求めてきました。Microsoft 社が Windows 搭載 PC をすべて管理しているわけで、これはある意味では安心ですが、ある意味では怖いことだと思いました。
それはともかくとして、Windows なら Minisforum Mini PC のサウンド機能がもとどおりになるかと期待したのですが、それは直りませんでした。それで Clonezilla でバックアップをとってあった SSD から Windows PRO を起動して試してみましたら、オーディオはちゃんと機能しました。それで、M.2 SSD に Windows PRO を改めてインストールしなおしました。

【KVM スイッチを使う】10-18-2021

KVM スイッチは一組のキーボード、モニター、マウスで、2つの PC を切り替えて使うものです。ずっと以前に PS2 キーボートとマウスと VGA を接続するものを使ったことがあり、今回、それを使って、メイン PC と、モニタの裏側にとりつけたミニ PC とを切り替えて使うことができるようにしてみました。私の Happy Hacking キーボードは PS2 端子なのでそのまま使えましたが、マウスは USB 端子のものなので、変換アダプタを使って KMV スイッチにつなぎました。
ここまでは良かったのですが、問題はモニターです。メイン PC には VGA 出力がありますが、ミニ PC には HDMI と Display Port しかありませんので、どちらかから VGA への変換アダプタが必要でした。汎用性を考慮して HDMI から VGA へのアダプタ、しかも音声出力つきのものを買いました。このアダプターから音声を取り出すことができましたので、KVM のオーディオケーブルをそこに差し込みました。このアダプターには USB から補助電力を供給できるようマイクロ USB の差し込み口があるのですが、補助電源はなくても大丈夫でした。これで、キーボードの Screen Lock キーを二度押すことによって、メイン PC とミニ PC との切り替えができました。

【WSL2 と Windows とのファイル共有】10-25-2021

非力なミニ PC ながら一応、Windows PC ができましたので、Linux を動かすことができる WSL を試してみることにしました。https://www.e-nekorakuen.net/?p=21815 にある指示にしたがって、まず、テキスト・ベースの Ubuntu 20.04 をインストールしました。
テキスト・ベースですが、apt が使えるので、まずは、エディタに jed、ファイルマネージャに mc（Midnight Commander）、ブラウザに elinks、パッケージ・インストラーに gdebi を入れました。ところが elinks で日本語が表示されませんでした。これは、elinks の問題ではなく、WSL に日本語フォントが入っていないためのようです。これは、ターミナルをアップグレードしたときに解決しました。Windows Terminal を Microsoft ストアからインストールし Windows Terminal を起動したときに Ubuntu が開くように設定しました。再び elinks を試すと、今度は日本語もきれいに表示されました。Windows Terminal と一緒に日本語フォントがインストールされたようです。Windows Terminal は Ubuntu、Power Shell、コマンド・プロンプトなどをそれぞれ別々のタブで起動することができ、とても便利です。
次に mc を起動すると、両方のパネルとも Ubuntu のユーザホーム・ディレクトリーが表示されました。右側のパネルを /mnt/c/Users/--User Name-- に移動して Windows のユーザホーム・ディレクトリーを表示させ、相互にファイルがコピーしてみました。Ubuntu のファイルシステムと Windows のファイルシステムが相互につながっているのは、VM ではできなかったことなので、とても気に入ました。
wsl で explorer.ext /mnt/c と入力すると、Windows のファイルマネージャが開き、Windows のユーザホーム・ディレクトリーが開きます。Windows のファイルマネージャーのリンク欄に \\wsl$ と入れると Ubuntu ファイルシステムのルート・ディレクトリーが表示されます。Windows のファイルマネージャを使っても、ファイルのやりとりができました。

【WSL2 と Xfce デスクトップ】11-1-2021

テキストベースの Ubuntu がうまくいったので、続いて Xfce を導入して、グラフィカル・デスクトップを構築しました。これを Windows 付属のリモートデスクトップ・ヴューア mstsc で見るには、Windows にも Ubuntu にも xrdp を入れて、Ubuntu 側で
```
$ sudo /etc/init.d/xrdp start
```
としてから mstsc を起動すると、Xfce デスクトップを見ることができました。
このあと日本語入力ができるようにしようとしましたが、うまくいきませんでした。また、起動しないアプリもあって、WSL で GUI を構築するのは一筋縄ではいかないようです。Ubuntu で音声が聞こえるようにする作業など、時間がかかりそうなので、これも棚上げにしておきます。WSL がかなりいいところまできていることを確認できただけで、WSLを積極的に使う予定はありません。むしろ、Windows に Apache と Python を入れて、Localhost で動くウェブ・アプリを作ろうかと思っています。

【Windows Apache サーバー】11-8-2021

Windows でも Python で作ったウェブ・アプリを使うため、Apache と Python を入れました。Windows Terminal はとても良かったので、それに釣り合うエディターとして Notepad++ を選び、インストールしました。Linux では、ターミナル、エディター、そして、ファイルマネジャーがあれば、たいていのことができますが、それは Windows でも同じだと思います。Windows ターミナルと Notepad++ はとても気に入りました。
Apache は ZIP 形式で配布されていますで、それを解凍して、Apache24 フォルダーをそのまま C: の直下に起きました。ファイルを調べてみると、
```
C:\Apache24\bin\httpd.exe
```
があり、これをターミナルで実行すると、サーバーが動きました。ただターミナルを閉じるとサーバーも停止します。ドキュメント・ルートは
```
C:\Apache24\htdocs
```
にありますが、今はユーザ・ディレクトリを使うつもりですので、ここには触れませんでした。
ユーザ・ディレクトリに Website というフォルダを作り、そこに HTML や CGI、CSS や JS などを置きます。それを有効にするため
```
C:\Apache24\conf\httpd.conf
```
をエディタで開いて、次の設定をしました。
```
Define SRVROOT "c:/Apache24"
ServerName localhost:80
LoadModule userdir_module modules/mod_userdir.so
Include conf/extra/httpd-userdir.conf
LoadModule cgi_module modules/mod_cgi.so
AddHandler cgi-script .cgi .py
```
そして、
```
C:\Apache24\conf\extra\httpd-userdir.conf
```
の Directory Options に
```
ExecCGI
```
を加えました。これで httpd を再起動すると、ユーザ・ディレクトリで Python CGI が使えるようになりました。
ただし、最初、CGI スクリプトの冒頭に書く #!（シーバング）で定義する Python のパスが分からなくて苦労しました。当然ながら、
```
#!/usr/bin/python
```
では動いてくれませんでした。それで py コマンドで
```
> py --list-paths
```
として、調べてみました。すると
```
Installed Pythons found by C:\WINDOWS\py.exe Launcher for Windows 
-3.9-64 C:\Users\penguin\AppData\Local\Programs\Python\Python39\python.exe *
```
と表示されましたので、次のスクリプトを書いて、動作確認をしました。C:\Users\ の後の penguin は私の場合のユーザ名ですので、この方法を使う方は、自分のユーザ名を入れてください。
```
#!C:\Users\penguin\AppData\Local\Programs\Python\Python39\python
# coding: UTF-8
print("Content-Type: test/html\n")
print("My Python CGI works!")
```

【Windows での Apache の自動起動】11-15-2021

Windows では Apache を毎回コマンドから起動させなければ、localhost にアクセスできません。それで、Apache の実行ファイル httpd.exe を Windows の Services に登録して、Windows を立ち上げたときに自動的に実行するようにしてみました。
まず、Windows のコマンドプロンプト cmd を Administrator 顕現で起動して
```
httpd -k install 
```
としました。
次に Services を起動して、一覧から Apache2.4 を見つけ、それをクリックしました。Properties で Start-up が Automatic になっていることを確認しました。これで、Linux と同じように Apache がバックグラウンドで動くようになりました。

【Windows Python CGI 文字化け】11-22-2021

Windows にも sqlite3 を入れて、データベースを使った Python CGI も動かせるようにしました。sqlite3 は sqlite.org/download.html から Windows insaller 付きのものをダウンロード、インストールしました。ついでに sqlitebrowser.org/download/ から DB Browser もダウンロード、インストールし、Linux と同じ環境にしました。
ところが、日本語が文字化けしました。html ファイルでは文字化けしないので、これは Apache のせいではなく、python のせいだろうと見当をつけ、調べてみましたら、スクリプトに次の行を加えればよいことが分かりました。
```
import sys
import io
sys.stdout = io.TextIOWrapper(sys.stdout.buffer, encoding='utf-8')
```
その通りにしたら、文字化けは解消しました。
しかし、ファイルから読み込んだ文字列の文字化けは直らず、CGI にエラーが出ました。それで Python の open 関数に encoding='utf-8' のオプションを次のように加えました。
```
with open(this_list,encoding='utf-8') as INP:
```
```
with open(this_list,'w',encoding='utf-8') as OUT:
```
以上で文字化けの問題はほぼ解消されました。Linux ではあたりまえにできることが Windows ではさまざまなオプションが必要になることが分かりました。

【re.search() の返り値】11-29-2021

テキストから特定の文字列を検索する Perl プログラムを Python で書き換えました。

import re
text = "We the People of the United States, in Order to form a more perfect Union, establish Justice, insure domestic Tranquility, provide for the common defense, promote the general Welfare, and secure the Blessings of Liberty to ourselves and our Posterity, do ordain and establish this Constitution for the United States of America."
search_word = "People"
found = re.search(search_word,text)
if found:
	text = text.replace(search_word,f"{search_word}")
	print(text)
else:
	print("Not found.")

といったふうに、検索語が見つかったらそれをハイライトして表示するようにしました。

しかし、上記の方法だと、検索語が "people" と、小文字だけの場合、何も表示されないことになります。それで re.search() の部分を
```
found = re.search(search_word,text,re.IGNORECASE)
```
としてみました。この場合、検索はできますが、検索語と見つけた文字列とが違うので、ハイライトできません。それで、re.search() の結果から見つけた文字列を取り出せないかやってみました。
```
print(str(found))
```
としてみたら
```
<re.Match object; span=(7, 13), match='People'>
```
との結果が示されました。span=(7, 13) は先頭を 0 として、文字列の 7 番目からはじまって 13 番目以前までにマッチした文字列があることを意味します。match='People' というところにマッチした文字列がありますので、これを別の re.search() を使って取り出し、ハイライトできるようにしました。
```
found = re.search(search_word,text,re.IGNORECASE)
if found:
	found2 = re.search("'([\w]+)'",str(found))
	if found2:
		found_word = found2.group(1)
		text = text.replace(found_word,f"<font id='hilite'>{found_word}</font>")
	print(text)
```
今まで re.search() の戻り値については、マッチしなかったら None を返すということしか考えていませんでしたが、マッチした場合の値の内容を知ることができて役立ちました。日本語の場合は、大文字・小文字の区別がないので re.IGNORECASE のオプションは不要です。

【Ubuntu 22.04 LTS】12-6-2021

10月に Xubuntu 21.10 がリリースされましたので、試してみましたが、私の環境では、新しいバージョンの恩恵はまだ見つけていません。メイン PC のアップグレードは来年4月の LTS 版まで待つことにします。
22.04 のマスコットはくらげで、名称は“Jammy Jellyfish”だそうです。“Jammy”とはジャムのようにべたつくものを言いますが、「簡単な、楽な、運がよい、ついている、もうかる、もってこいの、愉快な、素晴らしい」などという意味もあります。Linux は、道具として PC を使うだけでなく、カスタマイズしたり、プログラミングしたりといったコンピュータの楽しみを取り戻してくれましたが、これからもそうであって欲しいと思います。

【Python で絵文字のエンティティ】12-13-2021

2021年4月5日の記事に Perl で絵文字のエンティティをみつける方法を書きましたが、Python ではもっと簡単にできました。

emoji = '🧑‍🌾'
for emoji_part in emoji:
	binary_string = ''.join(format(ord(i), '08b') for i in emoji_part)
	decimal_representation = int(binary_string, 2)
	emoji_hex = hex(decimal_representation)
	emoji_hex = emoji_hex.replace('0x','&x') 
	print(emoji_hex, end=';')
print()

最近の絵文字は、2つ以上の絵文字を組み合わせて、新しい絵文字を作っていますので、最初に 'for' 文で、その絵文字の各文字を取り出しました。それから、その文字の 2進数値を得て、それを 16進数に直しました。そのままでは '0x1f340' などと変換されますので、'0x' の部分を '&x' に変え、最後に ';' を付けて HTMLエンティティとなるようにしました。
この方法で、絵文字をコピーしペーストするとその HTMLエンティティが得られるウェブアプリを書いてみました。絵文字の HTMLエンティティを調べる手間が省けました。

【gLabels で IMb を印刷】12-20-2021

今年のクリスマスカードの宛先ラベルは gLabels を使って Dymo LabelWriter 400 Turbo で印刷しました。DymoLabel アプリにはアドレスから自動的に Intelligent Mail barcode（IMb）を作る機能があります。同じことを gLabels でもできないかと試してみました。gLabel には Postnet barcode を作る機能がありますが、Postnet はもう使われなくなったので、IMb にしなければなりません。IMb は大量に郵便を出すとき、割引を受けるために必要で、通常の郵便には要らないのですが、せっかくの機能なので、ラベルにプリントすることにしました。
まず、IMb を理解するために、USPS のサイト（https://postalpro.usps.com/ppro-tools/encoder-decoder）から Intelligent Mail Barcode Decorder をダウンロードして Localhost で使えるようにしました。これを使って DymoLabel で作られた IMb をデコードしてみました。バーコード記号で長い縦線があり、デコードするとき、これは「F」という文字で置き換えます。「F」の3分の2ほどの長さの縦線には2種類あり、ひとつは上に上がっているものは「A」、下にさがっているものは「D」という文字で置き換えます。「A」や「D」の半分くらいの短い縦線は「S」です。全部で65本あるコードのひとつひとつを「A」「S」「D」「F」の四つのキーを使って根気よく入力しました。入力するたびにその下にコードが実際の形で表示されますので、ラベルと見比べならがら入力しました。
ラベルのコードは次のとおりで、
```
ADDFFADTFDDTAAFTDATFDTTFFTTDTTDFDTDDTADFFFTAADFFTDFAATDFFATDTTAFF
```
以下の情報が得られました。
```
Barcode ID: 00　[2N]
Service Type ID（STID）: 700  [3N]
Mailer ID（MID）: 900000229  [9N]
Serial Number: 000000  [6N]
Routing Code: 75230504400  [11N]
```
USPS のマニュアルによると Barcode ID は通常は「00」にしておけばよいようです。STID の「700」は「First-Class Mail, Manual Corrections, Basic or Nonautomation without IV MTR」を指します。MID は USPS のメインシステムに登録してあるもので、もしかしら Dymo 社のものかもしれません。Serial Number は本来ならランダムに生成されるのでしょうが、これはダミーだと思います。Routing Code は Zip Code 5+4 に番地の最後の2桁を Delivery Point として加えた11桁の文字列です。Delivery Point は、通常、番地の最後の2桁です。アパートやユニットの場合は、番地以外の数字になるので、USPS の Zip Code Finder で調べています。郵便局には Routing Code だけ認識してもらえればいいので、あとはダミーの数字になっています。
それで、gLabel の CSV データ・エントリーに「IMb」項目を追加し、31桁ある IMb の最初の 20 桁を
```
00700900000229000000
```
として固定し、そのあとに 11桁の Routing Code を加えて、IMb をプリントできるようにしました。

【2021年の Linux ライフ】12-27-2021

プログラミングでは、Python を本格的に使いはじめ、ウェブアプリをいくつか作りました。Golang も習いはじめ、小さなプログラムを作ってみました。スクリプト言語は文法の間違いを教えてくれるので、初心者には親切なのですが、コンパイル言語はそうではありませんでした。しかし、Golanng は文法の間違いをある程度チェックしてくれるので、親しみやすく思いました。
ハードウェアでは、家内と娘にそれぞれラップトップとミニ PC をセットアップしました。ラップトップは Windows で動いていますが、家内が今まで使っていた Xubuntu と見た目が同じようになるよう調整しました。ミニ PC には 21.04 のミニマム版を入れました。自分のためには Windows を入れたもう一台のミニ PC と Xubuntu を入れたメイン PC を KVM ケーブルでつなぎ、必要に応じて切り替えています。Windows PC では Apache と Python を使ってウェブアプリを開発するのに取り組んでいます。
10月からインターネット接続をファイバーに替えました。今までのケーブルで、丸一日インターネットが使えなくなったので、修理を頼んだら、ファイバー配線に取り替えてくれましたので、それを機にファイバーサービスを頼みました。新しいモデム、BGW320 が届いたのですが、それには TV への同軸ケーブルの端子がなかったので、古いモデムを使い続けることにしました。それでも、今まで 16 Mbps だった通信速度が一挙に 360 Mbps になりました。アップロードも同じくらい早いので、Synology DeskStation の Web サーバーも少しは早く動くようになりました。
Linux のソフトウェアでは、改良された gLabels で Dymo のラベルライターが使えるようになったので、Windows の DymoLabel ソフトウェアの機能を Python で実現しました。宛名ラベルに Intelligent Mail barcode を印刷できるようにしました。Dymo Wireless は、Linux ではまだ使えないでいます。それから、小冊子印刷には、いまだに AdobeReader 9 を使っています。小冊子印刷に対応した Linux の PDF Reader の登場が待たれます。


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Linux Memo 2021年7～12月分

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